H26 理論 問18(半導体回路)

H26 理論 問18(半導体回路)

問18
図1は、代表的なスイッチング電源回路の原理図を示している。
次の (a) 及び (b) の問に答えよ。

(a) 回路の説明として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1)インダクタンス L[H] のコイルはスイッチ S がオンのときに電磁エネルギーを蓄え、S がオフのときに蓄えたエネルギーを放出する。

(2)ダイオード D は、スイッチ S がオンのときには電流が流れず、S がオフのときに電流が流れる。

(3)静電容量 C[F] のコンデンサは出力電圧 V0[V] を平滑化するための素子であり、静電容量 C[F] が大きいほどリプル電圧が小さい。

(4)コイルのインダクタンスやコンデンサの静電容量値を小さくするためには、スイッチ S がオンとオフを繰り返す周期(スイッチング周期)を長くする。

(5)スイッチの実現には、バイポーラトランジスタや電界効果トランジスタが使用できる。

(b) スイッチ S がオンの間にコイルの電流 I が増加する量を ΔI1[A] とし、スイッチ S がオフの間に I が減少する量を ΔI2[A] とすると、定常的には図2の太線に示すような電流の変化がみられ、ΔI1=ΔI2 が成り立つ。

ここで出力電圧 V0[V] のリプルは十分小さく、出力電圧を一定とし、電流 I の増減は図2のように直線的であるとする。

また、ダイオードの順方向電圧は 0V と近似とする。

さらに、スイッチ S がオン並びにオフしている時間をそれぞれ TON[s]、TOFF[s] とする。

ΔI1とV0 を表す式の組み合わせとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

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解 答

問題(a)
(a) 問題図1の、スイッチ S がONと OFF の期間の回路動作を図(イ)、図(ロ) に示す。

(1)図(イ) S が ON の期間、L[H] に流れる電流 I によって、コイルに蓄えられる電磁エネルギー W は、次のようになります。

\(W=\cfrac{1}{2}LI^2\)[J]

図(ロ) スイッチ S が OFF の期間はダイオードを通じて、エネルギーを負荷に放出する。

記述は正しい。

(2)図(イ)、図(ロ) ダイオード D は S が ON のときは、逆電圧になるので電流は流れません。
S がOFFのときは、L の起電力により順電圧がかかるので、電流が流れます。

記述は正しい。

(3)静電容量 C は出力電圧 V0 のリプル(脈動)を平滑化する素子で、静電容量 C が大きいほどリプル電圧は小さくなります。

記述は正しい。

(4)コイルの L{H} やコンデンサの C[F] を小さくするには、LやCに蓄えられたエネルギーの放出期間(周期)を短くすれば良いことになります。

記述は誤りです。

(5)記述は正しい。

(a)の答えは(4)です。

問題(b)
(b)\(ΔI_1\)と\(V_0\)を表す式を求める。

図(イ) から、\(T_{ON}\)時は\(v_L=E-V_0\)、電磁法則により次の式が成り立ちます。

\(L\cfrac{ΔI}{Δt}=E-V_0\)

\(ΔI=\cfrac{(E-V_0)Δt}{L}\)

図(ロ)から、\(ΔI=ΔI_1 ,Δt=T_{ON}\)を代入します。

\(ΔI_1=\cfrac{(E-V_0)T_{ON}}{L} \quad\) \(ΔI_1\)の答え

\(T_{OFF}\)の時は、\(v_L=V_0\)なので、次の式が成り立ちます。

\(L\cfrac{ΔI}{Δt}=V_0\)

\(ΔI=\cfrac{V_0Δt}{L}\)

\(ΔI=ΔI_2 ,Δt=T_{OFF}\)を代入します。

\(ΔI_2=\cfrac{V_0T_{OFF}}{L}\)

題意から、\(ΔI_1=ΔI_2\)なので

\(\cfrac{(E-V_0)T_{ON}}{L}=\cfrac{V_0T_{OFF}}{L}\)

\(V_0=\cfrac{T_{ON}E}{T_{ON}+T_{OFF}} \quad\) \(V_0\)の答え

正解は(a)-(4) (b)-(2)